沖縄では、以前から米軍基地からの化学物質PFASによる水の汚染が問題視されています。
近年、そのPFASの危険性が世界的に問題視され、規制が強化されています。
ところが日本では・・・
近年、水汚染などで問題視され、注目を集めている化学物質PFAS(パーフルオロアルキル化合物およびポリフルオロアルキル化合物)とは、撥水剤、表面処理剤、乳化剤、消火剤、コーティング剤等に使われている化学物質の総称です。
熱や薬品に強く、水や油をはじくなどの性質がありますが、その強い性質ゆえに自然界や体内で分解されにくく、英語で「Forever Chemicals(永久に残る化学物質)」と呼ばれ、分解されずに蓄積されやすい性質があります。
4000種類以上あるとされるPFASの中でも、特に有名なのは、PFOA(ペルフルオロオクタン酸)とPFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)の2つです。
いずれも人体に取り込まれると、高脂血症、動脈硬化、糖尿病、甲状腺機能低下症、肥満、出生時体重の減少など、様々な健康への悪影響が報告されています。
沖縄では、このPFASが水道水に含まれている地域があって住民に健康被害が発生していて問題視されています。
近年では沖縄だけではなく全国各地でPFAS汚染の被害が発覚し、問題視されるようになってきました。
ところが、市民団体が自治体への水道水の調査報告を開示するよう求めると、自治体側はその実態を隠すような対応が多いようで、開示しても大切な部分が黒塗りで隠されているといった対応もあるようです。
黒塗りで隠すという事は、明らかに公表すると問題になる水質汚染状況となっている、という事実の裏返しでもあります。
自治体側としては失態を隠すと同時に、住民たちがパニックを起こさないような形でに開示しなければならないので当然かもしれません。
つまり、自治体が公表している水質情報は、真実の値であるかどうか疑わしい。。。
のかもしれません。
世界各国ではPFASを問題視して、規制が強化されています。
国や企業 | 規制状況 |
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EU | 2023年規制案にて、医薬品など一部を除き、1万種類以上あるPFASの製造や使用、販売を全面的に禁止する方針。早ければ2025年にも欧州委員会で採択される見込み |
アメリカ |
2024年4月、米国環境保護庁が米スーパーファンド法に基づく有害物質にPFOSとPFOAを指定。浄化費用をはじめとした汚染に対する責任は、汚染に関与した事業者が負う。 |
ニュージーランド | 2026年12月31日から、化粧品にPFASを使用することやPFASを使用した化粧品を輸入することを禁止 |
米アマゾン | PFASフリーを宣言 |
米マクドナルド | PFASフリーを宣言 |
米3M | 2025年までにPFAS製造から撤退することを表明 |
※ 日本の基準値は50ng/L
上述のEUの規制案に対してのパブリックコメントに、日本の経産省や経団連、業界団体などが「合理的でない」として反対意見を提出しているというのです。
残念ながら、日本では、国も企業もPFASの規制強化に対して乗り気ではない、というのが現実のようですね。