2021年12月16日、那覇市の市民が「汚染された飲み水が供給された恐れがある」として市の水道局に住民への血液検査を実施するよう求めました。
沖縄テレビやYahoo!ニュースなど大手メディアでも紹介され、改めて沖縄の水道水問題が注目を集めています。
那覇市にも供給されている北谷浄水場からの水道水内に国際条約で使用が禁止されている発がん性物質と言われているPFOSが検出された問題が、未だに住民への不安をもたらしています。
2021年12月16日、「那覇市民の命を守る会」の祖慶真行さんらが「汚染された飲み水が供給された恐れがある」として市の水道局に住民への血液検査を実施するよう求めました。
沖縄テレビやYahoo!ニュースなど大手メディアでも紹介され、改めて沖縄の水道水問題が注目を集めています。
PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸)は、有機フッ素化合物の一種で発がん性などが指摘されている化学物質です。
厄介なのは、一度体内に入ると分解や排出がされずに体内に残り続け、人体に悪影響を及ぼす事です。
残留性有機汚染物質に関するストックホルム条約(POPs条約)で国際的に製造・使用が制限され、国内でも一部例外を除き原則的に使用・製造が禁止されています。
そんな危険な化学物質が、北谷浄水場の取水源である嘉手納基地周辺の地下水や川で、2016年に高濃度で検出されました。
さまざまな調査により、汚染源の化学物質PFOS等は、嘉手納基地内の飛行場で使われている泡消火剤に利用されていることが分かっています。
しかしながら、日米地位協定の壁により立ち入り調査はできず米軍からの情報開示も一部のため、詳しい事までは分かっていません。
しかも2020年4月には、その泡消火剤が沖縄県内の周囲の河川に大量に流出する事故もありました。
ニュースでは、那覇市の市民からの訴えですが、北谷浄水場からの水道水の供給先は那覇市だけではありません。
以下のように7つの市町村に水道水が供給されています。
北谷浄水場からの 水道水の供給先 |
北谷町・沖縄市・北中城村・中城村 ・宜野湾市・浦添市・那覇市 |
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過去にも、京都大学医学部によって宜野湾市民の血中濃度を調べたところ、PFOSの代替物質PFHxS(ピーエフヘクスエス)が全国平均の53倍の高濃度で検出されました。
有害な水道水が供給され、市民は知らずに飲まされ続けていたのです。
水道水に含まれていたPFOS等の化学物質は、体内に蓄積され残り続け、発がん性や不妊などの有害な影響を与えると言われています。
残念ながら、沖縄の水道水は未だ不安と隣り合わせとなっているのが現状といえるのではないでしょうか。。