沖縄テレビ報道スペシャル『水どぅ宝』
2022年5月に放映された、沖縄テレビ報道スペシャル『水どぅ宝』というTV番組が、「民放連賞」「地方の時代映像祭」「ギャラクシー賞」を受賞しました。
『水どぅ宝』の意味
沖縄には昔からよく使われてる、「命どぅ宝」という言葉があります。
「命どぅ宝」は、「生命(いのち)こそ宝」という意味を表します。
沖縄の人々は、自然や生命を尊重し、それらを宝として大切にしており、沖縄の美しい自然や豊かな生態系を保護し、未来の世代に引き継ぐことの重要性を伝えるために使われている言葉であるとともに、第二次大戦中の沖縄戦においては、集団自決しようとした住民を思いとどまらせた言葉としても有名です。
これになぞらえて、「水どぅ宝」は、「水こそ宝」という意味を表します。
生きていく上で、生命同様にその源である「水」の大切さを訴える言葉でもあります。
今回制作された、TV番組『水どぅ宝』は、沖縄の大切な水源が米軍基地で使われていた化学物質によって汚染されてしまった事実をまとめた内容となっています。
このページの目次
ダイジェスト版『水どぅ宝』(約11分)
PFOSが引き起こす6つの病名
映像でも語られていますが、PFOSが引き起こすとされている病気に、以下の6つが挙げられています。
①妊娠高血圧症
②精巣がん
③腎臓がん
④甲状腺疾患
⑤潰瘍症
⑥高コレステロール血症
病名 | 主な症状 | 備考 |
---|---|---|
①妊娠高血圧症 | 主な症状は性器出血、腹痛、子宮の異常な硬さ(板状硬)、胎動の減少で、胎盤のはがれた部分が大きいと、出血性ショックを起こしたりお腹の中で赤ちゃんが亡くなったりします。 お産後に子宮からの出血が多い場合には子宮をとらなければならない時もあります。 | 原因未解明。胎盤機能が低下し、胎児への酸素や栄養の供給が低下して、胎児発育不全や胎児低酸素が起こりやすくなります。 母体だけではなく胎児の状態も悪くなる病気。 |
②精巣がん | 初期症状はなく、精巣にしこりや精巣が張れたりして発見される | 原因は不明。男性不妊症の検査で発見されることもある。 |
③腎臓がん | 初期の痛みはないが、増大に従い、背中の右か左側に鈍痛が表れる。血尿やお腹の突っ張りなど。 | 肥満や喫煙など生活習慣で罹る場合が多い。透析治療や遺伝病との関わりもある。 |
④甲状腺疾患 | 甲状腺ホルモンの分泌過剰と分泌不足で症状が変わる。分泌過剰の場合、イライラ、動悸、多汗、手の震え、眼球の突出や甲状腺の腫れなど。
分泌不足の場合、肌の乾燥、気力の減退、便秘、寒気、体重増加など。 |
原因不明。本来自分の身体を守るべき免疫が自分自身を攻撃してしまうことで起こる自己免疫疾患の一つ。 |
⑤潰瘍性大腸炎 | 下腹部の痛みやけいれん、下痢や血便。炎症が進行すると、発熱します。慢性的な下痢や栄養吸収の障害で体重が減少します。 | 具体的な原因は完全に解明されていません。免疫系の異常や遺伝的要因、環境要因などが関与していると考えられています。 |
⑥高コレステロール血症 | 長期間にわたってコレステロール値が高いままであると、動脈硬化が進行し、最終的に心血管疾患や血管の閉塞などの合併症が現れる可能性があります。胸痛(狭心症)、息切れ、胸部不快感、不整脈など冠動脈疾患関連の症状や、脚の痛み、歩行時の疲労感、足の冷えなどの抹消動脈新刊関連の症状などがあります。 | 遺伝的な要因のほかに、一般的には不健康な食生活や運動不足などが挙げられています。 |
まとめ
- 動画『水どぅ宝』は、沖縄の大切な水源が米軍基地で使われていた化学物質によって汚染されてしまった事実をまとめた内容
- 有機フッ素化合物PFOSは人体に蓄積し、健康被害をもたらす
- PFOSはガンや妊娠高血圧症など、生命や赤ちゃんにまで悪影響を及ぼす
「不妊の原因は、水道水かもしれない」・・ お手紙より
米軍基地による水汚染問題