普段何気なく使って飲んでいる水道水。
もちろん、大きな問題があるとは言えないのですが、調べてみると色々と課題があることが分かりました。
沖縄は、昔から水不足で悩まされてきた土地でした。
今ではだいぶ改善されましたが、沖縄県民にとって水の大切さを忘れてはいけないのかもしれません。
水不足の歴史を調べてみました。
人口がそこまで多くなかった時代には、本島でも首里各地の湧き水などもあり、生活には不足しなかった時代もありました。
しかし、戦後から時代を経て沖縄が返還され、1970~1980年代には経済成長と上水道の普及が進む中、水の需要が増加して水不足が慢性化しつつありました。
1963年(昭和38年)には70数年ぶりの大干ばつに見舞われ、平年の半分以下の雨量しかありませんでした。
そのため、農作物の被害は甚大を極め、国会でも取り上げられるほどの大干ばつとなりました。
長期(206日間)に渡る給水制限はもちろん、農作物の枯死、病害虫の異常発生、家畜の餓死など干ばつの被害は拡がりました。
その後も毎年のように、給水制限が行われ、1977年には169日間の給水制限もありました。
1981年~1982年には326日間に渡って時間指定断水による給水制限が行われた渇水の時期もありました。
年代 | 主な水不足による給水制限 |
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1972年(昭和47年) | 20日間の夜間10時間断水。15日間の夜間6時間断水。 |
1973年(昭和48年) | 80日間の24時間隔日給水。15日間の夜間10時間断水。31日間の夜間8時間断水。 |
1974年(昭和49年) | 9日間の24時間隔日給水。7日間の夜間10時間断水。97日間の夜間8時間断水。 |
1975年(昭和50年) | 25日間の夜間10時間断水。24日間の夜間8時間断水。 |
1976年(昭和51年) | 75日間の夜間10時間断水。 |
1977年(昭和52年) | 137日間の24時間隔日給水。32日間の夜間8時間断水。 |
1978年(昭和53年) | 7日間の24時間隔日給水。 |
1978年(昭和55年) | 37日間の夜間10時間。39日間の夜間8時間断水。 |
1981年 6月 (昭和56年) |
およそ1年間の渇水時期に入る。 梅雨時期の雨量が平年の半分以下。6月末には県管理3ダムの貯水量が60%以下。国管理の福地ダムは80%以下となり、7月11日以降にほぼ全域で夜間断水が開始。 |
1981年7月~12月 (昭和56年) |
7月13日には県管理3ダムの貯水率が28.2%まで落ち込み、7月16日から隔日断水が実施。 10月20日には県管理3ダムの貯水率は5.1%とほぼ干上がり、自衛隊による人工降雨などの試みもされたが効果はなかった |
1982年(昭和57年) | 3月には頼みの綱の国管理福地ダムも貯水率32%。当時の新しいダム建設が突貫工事で進められ予定より1か月早く完成した。4月12日から隔日断水、5月8日には夜間断水へと緩和し、6月7日に全ての給水制限が解除された。 |
1988年(昭和63年) | 26日間の24時間隔日給水。7日間の夜間8時間断水。 |
1989年(平成元年) | 26日間の24時間隔日給水。 |
1991年(平成3年) | 20日間の24時間隔日給水。44日間の夜間8時間断水。 |
1993年(平成5年) | 31日間の夜間8時間断水 |
※沖縄県企業局 給水制限の歴史より
現在はダムも整備されてきたとはいえ、本島北部にある水源ダムからの水が頼りになっており、北部の山間部の水源とダム無くしては県の水需要に応えることはできません。
沖縄で暮らすからには、『水不足』に対する備えをしておくに越したことはないと言えるでしょう。