沖縄県では、過去に悩まされた水不足対策として、今でも飲料用貯水用のタンクが設置されている家庭が多いです。
給水制限がほとんどなくなった現代、過去に設置した貯水タンクは長らく活用されず、ほったらかしの状態になっていることが多いです。
『貯水タンクの内部は見えない』ので、どうしても気にならなくなってしまいがち。。
また、水量10t以下の貯水タンクは清掃が義務付けられていません。
近年、その飲料用貯水タンクに様々な問題があることが指摘されています。
貯水タンクにサビが発生することがあります。
「貯水タンクはステンレス製だから、サビは生えないはずさ~??」
と思っていらっしゃる方も多いかもしれませんが、タンクはステンレス製でも、配管は鉄製の場合が多いです。
長らく放ったらかしの配管にサビが生えて、サビ混じりの水がタンク内に貯水されてしまっていることが多いようです。
蛇口から、赤さびが出てきたり、味が鉄臭かったりして、ようやく気付くことがあります。
台風の影響などで、いつの間にか貯水タンクのフタが開いてしまったり、スキマができてしまっていることがあります。
その隙間から、緑藻類、ミドリムシ藻類、ツツジモ類、糸状性や群体性の藍藻類、群体性の硅藻類や黄金色藻類等の胞子が入り込み、隙間から入る光で光合成を繰り返して、いつの間にか、水面に藻が拡がってしまうことがあります。
主な藻類は、水温15℃~30℃で繁殖するため、沖縄の貯水タンク内では常に繁殖できてしまいます。
藻類が死滅すると、腐敗し、腐敗臭さ・カビ臭さなど悪臭の原因になります。
更には、ポンプや水路、フィルターなどに目詰まりを起こします。
また、アオコ自体に毒性があります。
1996年にはブラジルのカルアリという町で、人工透析用の水に混入したアオコの毒素で126人が発病し、60名が死亡するという事故がありました。
生きながらえた人も、慢性肝臓障害に苦しんでいます。
藻類・アオコの発生をあなどってはなりません。
これも台風の影響などで、いつの間にか貯水タンクのフタが開いてしまい、その中に蚊が入って卵を産み付けて、ボウフラや蚊が発生していた、という声が多く聞かれる症例です。
蚊に限らず、水辺で卵を生む虫は多いです。
特に蚊は、小さな隙間からでも水を見つけて入り込みます。
いずれにしても、水は毎日口にするものです。
日常的に衛生状態を保つために、定期的に点検や清掃が必要です。
など、特に台風の後などはしっかり確認しておいた方が良いでしょう。
沖縄県の生活衛生課や清掃業者では、年に一回の清掃が推奨されています。
沖縄県の保健医療部中部保健所生活衛生班では、清掃を依頼する際の県の認可業者を紹介してくれます。