有機フッ素化合物PFASによる水汚染問題は、米軍基地の多い沖縄特有の問題かと思われましたが、内地でも同様の問題が発覚してきており、危険性の認知が拡がっています。
2023年12月、岡山県の吉備中央町にある円城浄水場から有機フッ素化合物である有機フッ素化合物PFASが検出された問題が発生しています。
住民の血液検査により、発がん性が指摘されるPFASの一種であるPFOAなどの数値が高い数値で検出され、地域の健康への影響が懸念されています。
血液検査は2023年11月26日に住民の有志の会が、2歳から80歳の27人の血液を採取し、6種類のPFASの血中濃度を調べたものでした。
その結果、27人全員のPFOAの数値がアメリカのガイドラインで要注意とされている20ナノグラムを超えていたということです。
さらに27人の平均値は171.2ナノグラムとなり、環境省が2021年に実施した調査の70倍以上もの値となっていました。
数値が非常に高いことから、専門家である京都大学の小泉名誉教授は20ナノグラム以上の場合はエコー検査などにて甲状腺ホルモンや腎臓がんの検査が必要だと会見で述べています。
円城浄水場PFAS問題有志の会の小倉博司代表は、
「(検査結果を)開封してずっと見たまま。3分くらいはそのまま動けなかった。ショックだった。5年10年というスパンで町が失った信頼を回復していく、そのための血液検査でもあると町には訴えていきたい」
とコメントしていました。
原因と推測されるのが、円城浄水場の水源だった河平ダムの周辺に野ざらしの状態で置かれた大量の活性炭で、その一部からは目標値の9万倍に値する450万ナノグラムのPFASが検出されたということです。
この問題を受け、円城浄水場の原水を別のダムに変更する作業を進めており、水の浄化に使う活性炭をすべて交換し、配水管なども洗浄したうえで水質検査を行い、安全性が確認されれば、本格的な運転を始める予定とのこと。
また、住民からの健康相談に応じる窓口を開設し、電話や保健課の窓口で職員が対応にあたるそうです。
さらに定例町議会では地区の住民に過去3年分の水道料金を返還する関連費用を盛り込んだ予算案が可決されたとの事です。
沖縄では水道料金を返還するって話は聞いたことないですけどね・・・
残念ながら内地の一部でも発生している有機フッ素化合物PFASによる水汚染。
PFASは、一度身体の中に取り込むと長期間残留して健康に悪影響を与えてしまうことが研究によって明らかにされています。
『水道水は安心』という一般的な考えに疑問符が投げかけられますが、沖縄県では以前から米軍基地で使われていたPFASを含む消泡剤などが流出して、水源が汚染されてきたことが明らかになっており、近年でも流出事故が起こってなかなか安心して水道水が飲める環境が整っているとは言い難い現実です。
毎日摂取するお水だからこそ、自衛手段としての浄水器やウォーターサーバーは、私たちの健康を守る上で やはり検討価値のあるものだと言えるでしょう。