広島県広島市の河川から安全基準値の2倍ものPFASが検出

広島市安佐北区で報じられた有機フッ素化合物「PFAS（ピーファス）」の水質基準超過に関するニュースについてご紹介します。

2025年4月、広島市が発表した調査によると、安佐北区狩留家町を流れる湯坂川支流の2地点で、国の「目標値」を大幅に上回るPFASが検出されました。

最大で91ナノグラム（ng/L）もの濃度が記録され、これは「国の指針値の約2倍」に相当します。

広島県では、同年2月にも福山市加茂町の福山川でも同様に指針値を超えるPFASが検出されています。

PFASとは、水や油をはじく性質があるため、長年にわたり工業製品に使用されてきた化学物質ですが、分解されにくく「永遠の化学物質（Forever Chemicals）」とも呼ばれています。

発がんリスクや免疫系への影響、ホルモンバランスの乱れ、不妊などとの関係が懸念されており、欧米では規制が進んでいる成分です。

安佐北区といえば、広島市内でも自然が多く、新興住宅地が点在し、近年はファミリー層も急増しているエリア。

こうした環境の中で、過去の産業廃棄物処理場が今回の汚染源として疑われています。

現段階では、“水道水への明確な影響は確認されていない”と広島市は説明していますが、安心とは言い切れません。

広島市は中国地方有数の大都市で、飲み水の70％以上を太田川の表流水に頼っています。

今までも水質の維持に多大な努力が注がれてきました。特に、原爆などの歴史的背景もあり、環境衛生には市民も高い関心を持ってきました。

しかし、今回のような「河川汚染」が発覚したことで、その安全性に再び疑問が投げかけられています。

さらに、過去にも広島市では工場排水や生活用水による水質悪化の出来事があり、地域住民の中には「またか」と感じている方も少なくないでしょう。

特に注目すべきは、河川と地下水は密接に関係しており、長期的には地下水を経由して水源に影響が及ぶ可能性もゼロではありません。

以下は、今回広島市が発表した調査の一部を簡易的にまとめた表です：

このように、国が「安全の目安」とする濃度を大きく上回る数値が検出されたことは、見逃せない事実です。

このニュースをみると「自分たちの飲み水は本当に大丈夫なのだろうか？」という不安を感じた方も多いと思います。

実際、PFASは「ろ過」がとても難しい物質で、自治体の処理設備では完全に除去できないケースもあります。

水道水が直接危険であると断定はできませんが、今回の調査結果は家庭でも自衛策を考える時期に入っていることを示しています。

具体的には、以下のようなアクションが推奨されます：
- 活性炭フィルターを搭載した家庭用浄水器の導入
- 信頼性のあるウォーターサーバーを利用する
- PFASの濃度を定期的に確認できる自治体の検査情報に注目する

一般的な浄水ポットではPFASを完全に除去することはできない場合があるため、購入前には「PFAS除去対応」と明記されているかをしっかりチェックしましょう。

また、安心して生活するためには、私たち市民自身が「環境データ」を読み取る目を持つことも今後ますます重要になってきます。

※参照：HOME広島ホームテレビ