岩倉市に10年住んでいる加藤和代さん。
長年使っていた水からPFASが検出されました。
PFASは有機フッ素化合物で、泡消化剤やフライパンの表面加工に使われていましたが、体内に入ると発がん性など健康への影響が疑われています。
岩倉団地水源からは49ナノグラムのPFASが検出され、これは全国で最も高い数値です。
岩倉市のこの地域では、約2600世帯がこの水を利用しており、不安が広がっています。

PFASの健康リスクと対策

加藤さんは不安に思って、血液検査を受けました。
その結果、血中濃度が60.1ナノグラムという結果でした。
これはアメリカの学術機関が健康リスクが上がるとされる値の3倍です。
加藤さんは、当初「60あります」という数値のことを言われても、意味が分からず、ピンとこなかったそうです。
しかし、調べてみるとかなり高い数値にとても驚いて、不安になったそうです。

PFASは腎臓などに悪影響を及ぼすとされていますが、現時点では異変はないとのこと。
PFASは沸騰させても取り除けないため、加藤さんは浄水器を設置されたそうです。

原因究明と自治体の取り組み

この地域の水の源水は地下水です。
PFASが検出された原因を調査するのに、自治体も頭を抱えているのが現状の様です。
専門家によると、地下水を使用しているこの地域では、原因を突き止めるのが難しいとしています。
どこから流れてきているのかを突き止めるだけでも膨大な費用と時間が掛かってしまうそうです。
岩倉市では、現状PFASの汚染が確認されていない県の水道と混ぜることでPFAS濃度を下げて供給する対策を取っています。
ちなみに、近辺では2021年岐阜県の各務原市の水道水が1リットル当たり550ナノグラムのPFASが検出されたこともありました。
現在では対策されていますが、まだまだ不安を感じる人も多いようです。

また、岡山県の吉備中央町など税金を使って公費で住民に対して血液検査をしている自治体もありますが、愛知県岩倉市では検査値が国の暫定基準を下回っているという理由で、公費での血液検査の予定はないそうです。
しかしながら、検査をした場所の違いや、どれだけ水を飲んだかによって影響は違うでしょうから、住民は不安をぬぐえないのが実状ではないでしょうか？

 

• 2024年度の全国PFAS汚染調査で、愛知県岩倉市の検出量が最大値だった
• 地下水が源泉のため、原因の特定が困難な状況
• 安全な県の水と混ぜてPFAS濃度を薄めることで対策している

水道水の安全性に不安を感じる方は、浄水器やウォーターサーバーの導入を検討してみてください。
生活の基盤となる水を安全にすることで、安心して日々を過ごせるようになります。