2025年2月、大阪府熊取町の地下水から驚くべき濃度のPFAS（有機フッ素化合物）が検出されました。
熊取町にある住友電工の子会社「住友電工ファインポリマー」の敷地内の井戸から、国が設定する暫定目標値の1460倍にも及ぶPFASが検出されました。

具体的な数値は以下の通りです。

この数値を見ると、いかに高濃度のPFASが検出されたかがわかります。
さらに、敷地内の他の井戸からも100倍を超える数値が確認されています。

PFASは「永遠の化学物質」と呼ばれる、分解されにくい化合物です。
体内に蓄積されやすく、一部の物質では発がん性が指摘されています。

例えば、テフロン加工のフライパンや撥水スプレーなど、私たちの身近なところで使われてきた物質です。
しかし、その安全性に疑問が投げかけられ、近年では使用が制限されつつあります。

幸いにも、今回検出された井戸は飲用や家庭用ではなく、現時点で健康被害の報告はないそうです。
しかし、地下水汚染が広がっている可能性は否定できません。

有機フッ素化合物PFASとは？

大阪府は、汚染が確認された地点の周辺約500メートル以内にある井戸の調査を行っています。
その結果、家庭用井戸2地点と事業所井戸7地点で水質検査が実施されました。

現在のところ、水道水は安全性が確認されていますが、周辺の井戸所有者には飲用を控えるよう呼びかけが行われています。

ある地域住民の方は
「普段は井戸水を飲んでいたけど、このニュースを聞いてからは水道水に切り替えました。安全性が確認されるまでは念のため、ですね」と話していました。

また、別の方は
「子どもの将来が心配で、ウォーターサーバーを導入しました。少し費用はかかりますが、安心できるならいいかなと思って」と対策を取り始めたそうです。

専門家からは、高濃度のPFASが検出された井戸水を飲んでいた人は血液検査を受けることを勧める声も上がっています。

皆さんも、自分や家族の健康を守るため、今一度飲料水の安全性について考えてみてはいかがでしょうか。
特に熊取町周辺にお住まいの方は、行政からの情報に注意を払い、必要に応じて適切な対策を取ることをおすすめします。