老朽化した動水管が破裂！沖縄中南部で広域断水の事態に

沖縄県企業局によると、24日午前3時頃、大宜味村塩屋で、ダムと浄水場を結ぶ導水管が破裂して水が大量に漏れ出たということです。
この事故の影響で、24日正午以降から本島中南部の市町村で最大37万世帯に及ぶ断水となるとの発表がありました。

断水する地域

【全域で断水するおそれ】
金武町、読谷村、嘉手納町、うるま市、西原町、与那原町、南風原町、豊見城市、南城市、八重瀬町、糸満市

【一部で断水するおそれ】
恩納村、沖縄市、浦添市、北中城村、中城村、那覇市

導入感が破裂した原因

具体的な原因は調査中のようですが、恐らく『老朽化』が原因とのこと。
破裂した導水管は1967年敷設で、今から58年前のものです。
そもそも水道管の耐用年数は40年とされており、耐用年数を大きく超えてしまっている現状が明らかとなりました。

県は、今回の漏水の原因調査を先送りして道路陥没を埋め戻し、西系列導水管に徐々に水を流す作業に着手したということです。

県の対応と今後

導水のための別のルートを使用するために、改修工事を進めていた別の導水トンネルの工事を一旦止めて、その工事中だった経路を使って送水を再開したようです。
25日午前中には、送水は正常化に向かいました。

しかしながら、断水期間中に送水管に赤サビなどが発生した場合、飲料水を各家庭に届けるための処理が必要となることなどから、実際に断水が解除される時期には地域差が出ていたようです。

老朽化による水道管の破損は、全国で、1日に50件以上起きているそうです。
沖縄県ももちろん例外ではありません。
沖縄県の水道インフラの老朽化が、深刻な事態になっていることが明るみになった事故ですね。
今後も、同じような事故がいつ起こっても不思議ではないと言えるでしょう。

今回、沖縄で破損したのは、影響の規模が最も大きいダムからの水を浄水場に送る“導水管”と呼ばれる水道管でした。

しかも導水管破裂は、沖縄県北部でしたが、断水の影響の多くは沖縄県の南部です。
なぜ、事故が起こった北部より、南部への影響が大きいのでしょうか？

これは、沖縄本島の水道事情に依ります。

沖縄本島には、水源となる水を貯めることができるダムが北部に集中しており、本島内の水道水の水源を全て沖縄県北部に頼っている、という事情があります。
沖縄中南部にダムを建設するのに適した川や山地がほとんどありません。

水道水の水源の大半を北部に頼っているため、今回のような事故が起こると、人口の多い中南部への断水の影響が大きくなるのです。

そのため、昔から水不足に悩まされる地域であり、ダムの整備が不十分であり、降水量も不足しがちだった頃の1980年代などには、しょっちゅう断水が起こっていた、という事情がありました。
沖縄水不足の歴史

水不足で悩まされてきた沖縄県民は、各戸建ての屋上に貯水タンクを設けたりして対策をしていました。
ダムが完備された現在では、貯水タンクを取り除く家も増えましたが、未だに名残が残っています。

しかし、1980年代に多く設置された貯水タンクも老朽化している場合が多く、サビや細菌の温床となってしまったり、ボウフラが発生してしまったりと、水質の汚染などの課題が指摘されています。
そのため、現代の備蓄水としてはあまり適しているとは言えない現状があります。

現代では買い貯めしたペットボトルやタンク型のウォーターサーバーなどが備蓄水としては適していると言えるでしょう。
貯水タンク・給水タンクの問題｜沖縄の水